天恵菇(てんけいこ)

 

先日、自宅近くのイタリアンレストランで人生の先輩と会食をした。

このお店のシェフは徳島県出身である。
郷土を思う気持ちが強く、徳島産のお肉やお野菜をふんだんに使ったお料理が好評である。
ワインもお料理に合って美味しい。

人生の先輩は現在、徳島に住んでいる。
先輩は、会社での約束された地位を捨てて、自ら一般財団法人を立ち上げた。

先輩は「日本の未来を担う子供たちに少しでも良い環境を提供したい。」という想いで、子供たちを支える団体やNPOに助成活動を行っている。

1か月前、先輩に「家の近所にイタリアンのお店があります。徳島県出身のシェフで美味しいですよ。」とメールすると、「夕食だけ食べに神戸まで行く!」と返信がきた。

先輩は一般財団法人の理事長をしながら、昨年よりキノコ栽培を始めた。

キノコの名前は天恵菇(てんけいこ)。
噂でしか聞いたことがない大きなキノコ。
栽培が難しいゆえに市場にはあまり出回っていない。

先輩は収穫作業を終わらせてから、徳島から車を走らせ、レストランに到着した。

おもむろに紙袋から出されたのは、直径10センチを超える大きなキノコ。
先輩曰く「味わい深く、肉厚で、まるでアワビを食べているような食感」とのこと。

なんとも贅沢なキノコである。
お土産として、私とシェフはこの“贅沢キノコ”をいただいてしまった。

 

天恵菇-てんけいこ

 

先輩と私は会話を楽しみながら、徳島産の美味しい前菜、お野菜、お肉、デザートを完食した。

お客様が誰もいなくなった頃合いに、先輩とシェフはカウンター越しに徳島談義をはじめる。
シェフの出身地と先輩は隣町どうしであり、地元のネタで盛り上がっている。

なんとも心地よい会話である。

先輩はこのレストランを気に入ってくれた。
大切に育てた天恵菇を、みんなから愛されるこのお店で使ってもらいたい、と言っている。

若いシェフも上機嫌で、お客様にぜひ天恵菇を食べてもらいたい、と熱が入っている。
すでに調理方法のイメージが頭の中にあるようだ。

 

若いシェフのお父様は今でも徳島で板前をしているという。
シェフは幼少からお父様に料理に向き合う姿勢を学んできたのだろう。

シェフは友人と話しながら後片付けをしている。
お鍋を磨き、食器、スプーン等を綺麗に洗っている。
所作が丁寧である。

流し台のみならず、排水フィルターも外して掃除をしている。
私はその様子を見ながら、こういったところに手を抜かないのがプロなのだ、とつくづく感心している。

人目につくところだけでなく、人目につかない所も綺麗に磨く。

これはプロとしての日頃の心構えであり、この小さな行為の積み重ねが、結果として大きな差を生む。
シェフは食器や流し台といった物理的なモノだけでなく、自身の心も磨いている。
それがお料理のクオリティとなって表れている。

 

先輩と私はお店から出た。
グルメな先輩は「全部美味しかった。また来たい!」と言い残して、車に乗り込んだ。

私が尊敬する先輩。フットワークは軽快である。

外は寒いはずだが、なんだか温かい。
徳島を愛する2人の出会いが、私の心にスイッチを入れたのだろう。

Trusted By

ムハマド・ユヌス様

グラミン銀行創設者
ノーベル平和賞受賞者

公益財団法人 千本財団

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般財団法人 
こどもたちと共に歩む会

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般社団法人 
明日へのチカラ

ロート製薬創業家  
山田安廣様

一般財団法人
チャイルドライフサポートとくしま

大塚製薬創業家  
大塚芳紘様

公益財団法人 
木口福祉財団

ワールド創業家  
木口由美様

一般財団法人 
本願寺文化興隆財団

親鸞25代目、
平成上皇の従兄弟いとこ 
本願寺法主 大谷暢順様

NPO法人 
SK Dream Japan

オートバックス創業家  
住野和子様

公益財団法人 
東京コミュニティー財団

東 信吾
Azuma Shingo

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事

 

【経歴】
1974年生まれ
大阪大学経済学部卒、大和銀行(現りそな銀行)、シティバンク、日本不動産研究所、UBS、クレディ・スイス(西日本地域の営業責任者)

社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

大学生の頃よりプライベートバンカーを志向する。
UBSアジアパシフィック地域において7年連続「ドラゴンクラブ」を受賞(日本人初)。
2015年、世界のトップバンカーの一人として「UBSサークルオブエクセレンス」を受賞
(唯一の日本人プライベートバンカー)。

2008年よりNPOのスタッフとして、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアにおける社会貢献活動に参画。

2012年よりバングラデシュにて、グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士と自動車整備士養成プロジェクトを運営。

日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門を創設(審査責任者)。
ソーシャルビジネスの普及活動に専念。


2022年より社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることを目的に、一般社団法人ソーシャルビジネスバンクをスタート。日本で初めて金融商品仲介業を株式会社でなく、一般社団法人にて運営(組織形態及び定款は非営利徹底型)。


この法人では、

  1. 富裕層や企業オーナーを社会貢献活動の世界に導く
  2. 富裕層や企業の社会貢献活動をお手伝いする
  3. 金融商品仲介業務で得た法人利益から法人税納税後の内部留保の半分以上を、顧客の希望に即した社会貢献活動に充当する
自身は上記3事業を無報酬(ボランティア)で行っている。


(公財)東京コミュニティー財団理事
(公財)千本財団理事
(一社)明日へのチカラ理事 ほか

世界4大会計事務所のひとつであるEYグループの日本法人(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)シニアフェロー

 

東信吾/azumashingo