セレンディピティ

セレンディピティ

 

先日、久しぶりに東京に行った。
日本アントレプレナー大賞というビジネスコンテストに参加するためである。

この賞は5部門から構成されている。
偶然の成り行きで、私はソーシャルビジネス部門の審査責任者をしている。

各部門で応募者から選ばれた2名が会場でプレゼンを行い、最後に1名(部門賞)が決定される。
4月には5部門の中から「大賞」が決まる。

毎回新しいビジネスプランが出てきて、その都度、私はアイデアの斬新さに感心する。

ある部門の審査責任者は東証1部上場企業の創業者である。
この創業者は長い経営者としての経験から、起業家に対して鋭い質問をする。

ビジネスプランに実現可能性を求める姿は、
たたき上げで組織を大きくしてきた経営者としての凄みを感じる。

 

今回、ソーシャルビジネス部門賞は昨年に続き女性経営者が受賞した。

昨年ソーシャルビジネス部門賞を受賞し、
後に5部門の中から「大賞」を取ったMs.坪井さんは、現在ウガンダから一時帰国している。

自らのビジネスモデルでウガンダの水事情を改善しようと必死に取り組んでいる。
この1年でウガンダ政府からも信認を得ている。

彼女が帰国している間に、在大阪ウガンダ名誉領事に面談をお願いしている。

名誉領事は日本人企業家であり、
名誉領事が経営する会社はサステイナブル企業のリーディングカンパニーとして有名である。

私は彼女のウガンダでの活躍を名誉領事に知ってもらいたい。
そして可能であれば、何かしらサポートしてもらえないか?と勝手に願っている。

 

これから活躍する若い起業家には、多くの立派な経営者に会ってほしい。
一人でも多くの支援者と繋がってほしい。

私が出来ることは、起業家に立派な経営者とのご縁を繋げることである。
起業家はその出会いを大切に育んでほしい。

 

ビジネスの成功要因は「運が9割」という経営者がいる。
成功者の多くは「時代が良かった」「多くの出会いに助けられた」と語る。

ふとした偶然で幸運をつかむことをセレンディピティという。

しかしビジネスは幸運だけでは成功できない。
日頃から努力を継続できる人や、出会いを大切にする人にのみ、セレンディピティは巡ってくる。

往々にして、セレンディピティは自分の意図していない方向からやってくる。

 

今回の東京滞在において、日本を代表する経営者(人生の先輩)と3か月振りにお会いした。
もともと人生の先輩とはイベント会場で偶然知り合ってからのご縁である。

人生の先輩の著書には、経営者の視点だけでなく、人間としての生き方の本質が書かれている。
私はこの本に、多くの付箋を張り、赤線を何本も引いている。

セレンディピティという言葉も、この本の中で初めて知った。

人生の先輩との会話を楽しんでいると、
先輩は突然「将来、自分が作った公益財団法人の理事になることを検討してもらえないか?」と話された。

私は一瞬自分の耳を疑い、「重鎮ばかりの理事や評議員の中に、私が入るのは場違いではないでしょうか?」と動揺を隠せずにお答えした。悩ましいことであるが、とても有り難いお言葉である。

私は社会の役に立つ財団や社団を設立した人の想いを、後世に繋いでいくことを自身の役割であると考えている。
そして、その役割を担えることはとても光栄である。

最後に、人生の先輩は
「これからの自分の人生は、経営者というよりも、多くの若者に経営者としての心構えや人生の歩き方を伝えていく伝道師でありたい。」と語ってくれた。

今回の面談は40分ほどで終わり、先輩はホテルオークラのエントランスに向かった。
そしてエントランス前に待たせてある黒塗りの大きな車の後部座席に乗り込んだ。
私はお辞儀をして先輩を見送った。

 

今から飛び立つ若手起業家の想い。
複数の大企業をゼロから作ってきた人生の先輩の想い。

私はどちらもお手伝いできることが幸せである。
私の人生は偶然の出会いの蓄積である、と改めて実感する。

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ムハマド・ユヌス様

グラミン銀行創設者
ノーベル平和賞受賞者

公益財団法人 千本財団

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般財団法人 
こどもたちと共に歩む会

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般社団法人 
明日へのチカラ

ロート製薬創業家  
山田安廣様

一般財団法人
チャイルドライフサポートとくしま

大塚製薬創業家  
大塚芳紘様

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木口福祉財団

ワールド創業家  
木口由美様

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オートバックス創業家  
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公益財団法人 
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東 信吾
Azuma Shingo

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事

 

【経歴】
1974年生まれ
大阪大学経済学部卒、大和銀行(現りそな銀行)、シティバンク、日本不動産研究所、UBS、クレディ・スイス(西日本地域の営業責任者)

社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

大学生の頃よりプライベートバンカーを志向する。
UBSアジアパシフィック地域において7年連続「ドラゴンクラブ」を受賞(日本人初)。
2015年、世界のトップバンカーの一人として「UBSサークルオブエクセレンス」を受賞
(唯一の日本人プライベートバンカー)。

2008年よりNPOのスタッフとして、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアにおける社会貢献活動に参画。

2012年よりバングラデシュにて、グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士と自動車整備士養成プロジェクトを運営。

日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門を創設(審査責任者)。
ソーシャルビジネスの普及活動に専念。


2022年より社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることを目的に、一般社団法人ソーシャルビジネスバンクをスタート。日本で初めて金融商品仲介業を株式会社でなく、一般社団法人にて運営(組織形態及び定款は非営利徹底型)。


この法人では、

  1. 富裕層や企業オーナーを社会貢献活動の世界に導く
  2. 富裕層や企業の社会貢献活動をお手伝いする
  3. 金融商品仲介業務で得た法人利益から法人税納税後の内部留保の半分以上を、顧客の希望に即した社会貢献活動に充当する
自身は上記3事業を無報酬(ボランティア)で行っている。


(公財)東京コミュニティー財団理事
(公財)千本財団理事
(一社)明日へのチカラ理事 ほか

世界4大会計事務所のひとつであるEYグループの日本法人(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)シニアフェロー

 

東信吾/azumashingo