実物資産への投資
2022年1月
先日、人生の先輩と会いました。
先輩は「世界中でインフレが進行しているので、インフレ対策を検討したい。」と言いました。
私は先輩を訪問する際はいつも、新聞、雑誌、金融機関各社のマーケット情報から興味ある記事を抜粋しながら説明しています。未だに新聞の切り抜きを貯めている私は、我ながら時代遅れであると自認しています。
PCや携帯で管理する方が簡単なのは分かっていますが、デスクの傍らにある切り抜かれた記事を、時間を置いて読んでみると理解が深まります。
先輩に世界経済の動きから各資産クラスまで、1時間ほど説明した後、先輩からの個別の質問に答えていきます。このやり取りは自分でも気付かされることが多く、とても勉強になります。
ここ数年はインフレヘッジの代表的な資産である金に加えて、仮想通貨が広がってきました。米国のマイクロストラテジー社はビットコインの保有時価総額が52.39億ドル(2022年1月11日時点、出典:東洋経済)となっています。
仮想通貨がさらに信認を得るかどうかは、後世になって分かることです。
今後はブロックチェーン技術と、最近話題となっている仮想空間(メタバース)が融合した新しい市場がネット上で広がっていくことでしょう。
コロナ禍において、金融緩和が人々の意識を変えました。各国の中央銀行は通貨を大量に市中に融通してきました。大量発行された通貨は、そもそも資産価値を保ち続けることが出来るのでしょうか。
このような事を心配している人々にとって、有限かつ固有の資産の重要度は増していくでしょう。
ここから話が軽いタッチに変わります。
前記の流れを受けて、私のインフレヘッジ対策(?)には、実物資産への投資があります。それはワインです。
世界でも美味しいワインの生産量は限られています。毎年ワインは消費されてボトルの数は減っていきます。半年前に、あるワインメーカーの日本代表のアドバイスのもと、少しだけワインを購入してみました。
ワインの実物投資にはリスクがあります。それは管理の問題です。倉庫内の温度や保存状態、輸送体制、災害でも壊れないか、など。
これは自分では到底できないので、出来れば管理のプロに任せた方が安心です。
そして仮に購入したワインの価格が将来上がらなくても、美味しく楽しく飲んでしまえば満足感は得られます。
ワインが好きな私にとって、値段が上がるような価値あるワインであれば、みんなで飲むことを優先します。
「このワインは当初5,000円で買ったけど、いま2万円になっています!」と言いながら、みんなと飲む。なんと夢があることでしょう。
結局のところ、私にとってのワイン投資は、将来値段が上がろうが下がろうが、飲んでしまうことが終着点になりそうです。