【東信吾コラム】元スイスプライベートバンカーの幸せ探訪 Vol.5 社会を想う富裕層に求められる金融機関とは?

当ページは、弊社代表の東が楽天証券の一部のお客様に向けて配信している
【東信吾コラム】を掲載しております。

 

 

近年、金融機関は収益獲得に向けて、富裕層をターゲットとした営業に力を注いでいる。

私も以前はプライベートバンカーとして富裕層のお手伝いをしていたが、現在は引退しており、いくつかの企業の顧問でアルバイトをしながら、ほとんどの時間を社会貢献活動に費やしている。

私は、いくつかの金融機関から「どのように富裕層営業を展開したらよいか?」と質問を受けることがある。ある銀行では役員会でプレゼンまでさせてもらった。その都度、「富裕層営業をしたいなら、お客様と一緒に社会貢献活動を実践する担当者(部門)を作ってください」と提案している。

しかし、金融業だけに取り組んできた専門家にとって、お客様を社会貢献活動にいざなうことに、いったいどれほどの意味があるのかは、なかなか理解してもらえない。

 

金融機関の心の内では、

  1. 社会貢献活動を推進するといっても、そのやり方が分からない
  2. すぐに金融商品を販売できるわけでなく、足元の利益につながらない
  3. 社会貢献活動のような「ふわっとしたこと」に余分な時間と費用を割きたくない

など、取り組まない理由がたくさん出てくる。

 

 

では、次に私が金融機関に質問してみよう。

  1. お客様に長期的なファンとなってもらいたいと思わないですか?
  2. 他の金融機関がしていない差別化をしたいと思わないですか?
  3. あなたが社会の幸せを願う富裕層なら、どの金融機関を選びますか?

どうだろうか。

社会を想う富裕層の立場から見たときに、選ばれる金融機関となる努力を怠っていることが露呈してしまうだろう。

 

多くの富裕層も社会貢献活動と聞いて、「赤十字やユニセフに寄付するの?」「海外で学校を建てるの?」「こども食堂をサポートするの?」などと身近なイメージが湧くものであるが、自分の想いを実現できる活動内容を自分で作っていけることに気が付いていない。

その人の考え方にあった社会貢献活動をデザインしていくことで、その人は残りの人生をより豊かに生きることができる。こんなことを一緒に考えてくれるプライベートバンカーが身近にいると、お客様はお金で買えない幸せを手にすることができる。

 

 

私はUBSやクレディ・スイスでのプライベートバンカー業を引退したとき、「肩書きがないと富裕層と出会えないのではないか?」と心配したが、杞憂に終わった。むしろ引退後に社会貢献活動に注力することで、UBSやクレディ・スイスでは会えなかったようなスケール感の大きな方や社会意識の高い方との出会いが待っていた。

金融機関は多くの富裕層が望むことを躊躇していると、時代の波に取り残されてしまう。私は遠くの場所から「私の声が金融機関に届くのはいつだろうか?」と眺めている。

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事 東 信吾
社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

編集協力:グレートワークス株式会社
プロボノ活動として本記事の執筆を支援しています

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東 信吾
Azuma Shingo

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事

 

【経歴】
1974年生まれ
大阪大学経済学部卒、大和銀行(現りそな銀行)、シティバンク、日本不動産研究所、UBS、クレディ・スイス(西日本地域の営業責任者)

社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

大学生の頃よりプライベートバンカーを志向する。
UBSアジアパシフィック地域において7年連続「ドラゴンクラブ」を受賞(日本人初)。
2015年、世界のトップバンカーの一人として「UBSサークルオブエクセレンス」を受賞
(唯一の日本人プライベートバンカー)。

2008年よりNPOのスタッフとして、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアにおける社会貢献活動に参画。

2012年よりバングラデシュにて、グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士と自動車整備士養成プロジェクトを運営。

日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門を創設(審査責任者)。
ソーシャルビジネスの普及活動に専念。


2022年より社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることを目的に、一般社団法人ソーシャルビジネスバンクをスタート。日本で初めて金融商品仲介業を株式会社でなく、一般社団法人にて運営(組織形態及び定款は非営利徹底型)。


この法人では、

  1. 富裕層や企業オーナーを社会貢献活動の世界に導く
  2. 富裕層や企業の社会貢献活動をお手伝いする
  3. 金融商品仲介業務で得た法人利益から法人税納税後の内部留保の半分以上を、顧客の希望に即した社会貢献活動に充当する
自身は上記3事業を無報酬(ボランティア)で行っている。


(公財)東京コミュニティー財団理事
(公財)千本財団理事
(一社)明日へのチカラ理事 ほか

世界4大会計事務所のひとつであるEYグループの日本法人(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)シニアフェロー

 

東信吾/azumashingo