【東信吾コラム】元スイスプライベートバンカーの幸せ探訪 Vol.4 新しい組み合わせから社会貢献が生まれる
2024年2月
当ページは、弊社代表の東が楽天証券の一部のお客様に向けて配信している
【東信吾コラム】を掲載しております。
私はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)であるが、金融の仕事はほとんどしていない。私の時間の90%は社会貢献活動である。
今回はJ-REITの運営会社のひとつである「日本都市ファンド投資法人」の社会貢献活動の話をしてみたい。日本には58社の上場不動産投資法人が存在している。その中で2番目に大きな資産規模を有しているのが「日本都市ファンド投資法人」である。保有物件数は134件、資産規模は1.2兆円。主に大都市圏に大きな商業施設を保有している。この会社の運営母体は米国のKKRという投資会社である。
この巨大不動産ファンドの運用責任者を務める「人生の先輩」と私は、20年以上の付き合いである。昨年、人生の先輩と以下のような会話が交わされた。
先輩「東くんの社会貢献活動は面白いね。うちは不動産をたくさん持っているけど、何か社会に良いことはできないかな?」
私 「それでしたら、商業施設の共用部分を無料で貸してもらえますか?障がい者を雇用している福祉作業所のイベントや障がい者アートの展示販売などしていいでしょうか?売上は障がい者支援に使われます」
先輩「いいですよ。社会に役立つなら、ぜひやってください」
私 「私は関西に住んでいるので、まずは手始めに商業施設の『京都ファミリー』や『ならファミリー』で開催しても構いませんか?」
先輩「東くんに任せますよ」
という短い会話で、大規模商業施設の共用部分を使ったSDGsイベントの開催が決まった。一般的に、企業は何かSDGsイベントしようとしても、どこから手を付けたら良いか分からない。一方、福祉作業所やNPO団体が大規模商業施設でイベントをしたいと言っても、簡単には開催させてもらえない。私はその間を取り持つ。
ただ、今回の立役者は人生の先輩である。その場での意思決定が早い。社会をより良くしたいと願う人でなければ、こんなに早く意思決定はできない。後日、私は現場を見に行き、開催場所を確認した後、イベントを実施してくれるNPOと打ち合わせをした。イベント開催まで、現場の管理責任者(住商アーバン開発)とやり取りを行った。この会社もSDGs活動に理解がある。とても親切に対応してくれた。
去る2月17日(土)と18日(日)に、地域住民から愛されている京都ファミリーで、「さをり織り体験」と「福祉ネイル」が開催された。自分の感じるままアートのように作品を織る「さをり織り」の体験では、子ども達が木製の織機の前に座り、慣れない手付きで織物を編んでいる。さをり織りを教えるのは、障がい者のスタッフである。とても活き活きと教えてくれる。子ども達は自ら作ったカラフルなテーブルクロスにご満悦である。
小さなイベントであるが、このイベントは成功したと言って良いだろう。地域の人に喜んでもらい、NPOで働く障がい者スタッフにとって少しでもプラスになれば嬉しい。今後は、この施設で年2回の定期イベントにしていきたい。次回は関東エリアでの開催を考えており、東京でイベントを開催してくれる障がい者支援団体と打ち合わせを重ねている。
私の役割は、社会を良くしたい企業や富裕層と社会問題を解決しようと奮闘しているNPOをつなぐことである。毎日のようにさまざまなNPOや支援者、財団法人などと打ち合わせを行っている。新しい組み合わせから、新しい「社会貢献のあり方」が生まれる。私はその様子を見て、誰かの想いを社会に還元できたことに満足する。
さて、今年は新しい社会貢献プロジェクトがいくつ生まれるのだろうか。とても楽しみである。
日本都市ファンド投資法人
https://www.jmf-reit.com
一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事 東 信吾
社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士
編集協力:グレートワークス株式会社
プロボノ活動として本記事の執筆を支援しています