家族で楽しむ貴重な時間(インクルーシブ映画上映会)

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AYA

 

一般社団法人ソーシャルビジネスバンクは、楽天証券と業務委託契約を締結している金融商品仲介業者であり、「お客様」と「社会」の利益を追求するために設立された。

代表である私は長くプライベートバンカーとして働いたあと、現在は社会活動家として大半の時間を過ごしている。社名の由来であるソーシャルビジネスとは、ビジネスの手法を用いて収益を上げながら、継続的に社会問題を解決する事業活動をいう。

私は2008年より海外でのボランティア活動に携わり、7年前より日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門賞の審査責任者をしている。応募部門は5部門あるが、毎年ソーシャルビジネス部門だけで150以上の応募がある。

本年の部門賞はNPO法人AYAが受賞した。通常であれば、ソーシャルビジネスという名前からして、ビジネスを前提とした株式会社が選ばれるところであるが、今回は違った。応募の中には、ソーシャルビジネスのベンチャー企業として、すでに黒字化を実現し、10億円以上の資金調達に成功している企業も含まれていた。そんな中、実績が少ない3年目のNPO法人AYAが選ばれた。

 

左:筆者、右:NPO法人AYAの中川代表

左:筆者、右:NPO法人AYAの中川代表

 

AYAは、全国各地で病気や障がいのある子どもと親が一緒に映画を楽しめるインクルーシブ映画上映会を開催している。この映画上映会の特徴は以下のとおりである。

①病気や障がいのある子どもの中には、映画館の暗い環境を怖がったり、音量が大きいとびっくりして声を出したり、そもそも落ち着いて座っていることが難しい子どもがいる。ただ、この日は声を出したり、歩き回ったりしても大丈夫である。

②いままで親は病気や障がいのある子どもを映画に連れていきたくても、周囲の人に迷惑をかけることを懸念して、一緒に映画を楽しむことができなかった。この日は、子どもが歩いても、医療機器のアラームが鳴っても、親は周囲に気兼ねすることなく、子どもと一緒に映画を楽しむことができる。

③東宝やウォルト・ディズニー・ジャパンといった映画配給会社や映画館は、健常の子どもたちと同じように、いま上映している子ども向け映画を病気や障がいのある子どもたちにも楽しんでもらいたいという想いがある。もちろん親子ともに入場料1,000円はいただく。配給会社や映画館は、社会を良くする活動に参加できることに、やりがいを感じている。

 

(写真提供:NPO法人AYA)

(写真提供:NPO法人AYA)

 

AYAの中川代表は京都大学医学部を卒業した現役の医師である。各地で開催される映画上映会には医療従事者を中心とした地元の方々がボランティアとして参加し、子どもたちの偶発的なケガや発作などに対応できる準備をしている。親のみならず場所を提供する映画館も安心である。

AYAが活動を開始して3年で100回以上の映画上映会などのイベントが開催され、入場者は1万人以上になった。各イベントの入場料だけでは、AYAの運営費が賄えないので、これからは多くの人や企業からの寄付金を集めないと持続できない。

 

「寄付金を集めるのは、ソーシャルビジネスといえるのか?」と考える人がいるかもしれない。確かにビジネスではない。一方で、創業したてのベンチャー企業も、行政からの支援や助成金をもらい、時には企業や個人投資家から出資金を集める。

組織形態に関わらず、企業や個人を巻き込みながら、活動を支えるお金(出資金や寄付金)を原資に、社会に良いインパクトが与えられるのであれば、株式会社であろうがNPO法人であろうが、今回のソーシャルビジネス部門賞に値する。NPO活動を軌道に乗せるためには、起業家精神とビジネスセンスが必要である。ビジネスを成功に導ける人でないと、NPO活動を持続し、拡大させることはできない。

これからもAYAが多くの人に支えられ、全国各地でイベントを開催し、病気や障がいのある子どもたちと家族に幸せな時間を提供し続けることを願っている。AYAの本当の目的は、病気や障がいのある子どもたちと家族が居心地よく暮らせる社会を築くことである。微力ながら、私も一緒にAYAの夢を応援したい。

NPO AYA公式サイト
https://aya-npo.org/

 

インクルーシブ映画上映会

Trusted By

ムハマド・ユヌス様

グラミン銀行創設者
ノーベル平和賞受賞者

公益財団法人 千本財団

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般財団法人 
こどもたちと共に歩む会

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般社団法人 
明日へのチカラ

ロート製薬創業家  
山田安廣様

一般財団法人
チャイルドライフサポートとくしま

大塚製薬創業家  
大塚芳紘様

公益財団法人 
木口福祉財団

ワールド創業家  
木口由美様

一般財団法人 
本願寺文化興隆財団

親鸞25代目、
平成上皇の従兄弟いとこ 
本願寺法主 大谷暢順様

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SK Dream Japan

オートバックス創業家  
住野和子様

公益財団法人 
東京コミュニティー財団

東 信吾
Azuma Shingo

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事

 

【経歴】
1974年生まれ
大阪大学経済学部卒、大和銀行(現りそな銀行)、シティバンク、日本不動産研究所、UBS、クレディ・スイス(西日本地域の営業責任者)

社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

大学生の頃よりプライベートバンカーを志向する。
UBSアジアパシフィック地域において7年連続「ドラゴンクラブ」を受賞(日本人初)。
2015年、世界のトップバンカーの一人として「UBSサークルオブエクセレンス」を受賞。

2008年よりNPOのスタッフとして、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアにおける社会貢献活動に参画。

2012年よりバングラデシュにて、グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士と自動車整備士養成プロジェクトを運営。

日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門を創設(審査責任者)。
ソーシャルビジネスの普及活動に専念。


2022年より社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることを目的に、一般社団法人ソーシャルビジネスバンクをスタート。日本で初めて金融商品仲介業を株式会社でなく、一般社団法人にて運営(組織形態及び定款は非営利徹底型)。


この法人では、

  1. 富裕層や企業オーナーを社会貢献活動の世界に導く
  2. 富裕層や企業の社会貢献活動をお手伝いする
  3. 金融商品仲介業務で得た法人利益から法人税納税後の内部留保の半分以上を、顧客の希望に即した社会貢献活動に充当する
自身は上記3事業を無報酬(ボランティア)で行っている。


【役職】 公益部門 8団体、企業顧問 5社

 

東信吾/azumashingo