丹波篠山での不思議な体験

王地山稲荷神社:不思議な出来事の伝承をもつ神社
王地山稲荷神社:不思議な出来事の伝承をもつ神社

後輩が金曜日に「次の日曜日空いていますか?ランチしませんか?」と連絡してきた。
唐突であったが、予定が空いていたので「大丈夫」と返事をした。

丹波篠山に行くので、一緒に昼食を食べに行ってほしいという。
ランチの場所としては、かなり遠い。車で自宅から六甲山を越えて、1時間以上かかる。

着いたのは老舗の料理旅館であり、400年以上の歴史がある。
過去に現在の天皇陛下が泊まったお宿である。
後輩は、ここの昼食を目当てに来たという。

 

偶然なことに、この旅館は日頃からお世話になっている企業の関連会社であると分かった。

お世話になっている企業の創業者は丹波篠山出身であり、自動車販売会社を中心にグループ会社87社を運営している。私はバングラデッシュで自動車整備士を養成するプロジェクトに携わっており、この会社にバングラデッシュ人2名を技能実習生として雇用してもらっている。

「まさかこんなところでご縁があるとは!」と感慨もひとしおである。

先日、日本にやってきたバングラデッシュ人は、技能実習先の自動車販売会社について「職場スタッフの皆さんはとても親切で、ここで仕事が出来て幸せです。」と話していた。

美味しい鍋料理を頂いてから、街を散策した。
歩いていると、バングラデシュと書いた看板を見つけた。
丹波篠山でバングラデッシュ??

 

お店ではバングラデシュの衣料などが販売されている。

興味本位で中に入り、店主の女性と話をした。バングラデシュの支援活動を37年しており、NPO法人P.U.S Japan(バングラデシュの村を良くする会)を運営しているという。

今までの学校建築数は23校で、生徒数は約1万人とのこと。
店主の女性と話をしていると、心が洗われる気分だ。

私もバングラデッシュでプロジェクトをしていると伝えた。
また次の金曜日にOneDropの大西さんとお会いする予定であることを話した。
OneDropは2016年にバングラデッシュで小学校を建築して以来、子どもの支援活動を行っている。

女性の店主
「大西さんはよく存じています。コロナ禍になってからお会いしてないです。宜しくお伝えください。」


「かしこまりました。ちなみに、このバングラカレーをいただけますか?」

女性の店主
「はい、どうも有り難うございます。」

 

偶然である。
丹波篠山で、まさかのバングラデッシュが2連続。

それから小京都と呼ばれる丹波篠山の歴史探訪を楽しんだ。

散歩をしていると、
後輩「黒豆を買いに阪本屋という店に行きましょう。」という。
丹波の黒豆は有名であり、私も購入しようと思った。
黒豆屋と言われる阪本屋が見えてくると、看板に“焼きおにぎり”と書いている。

中に入るとそこは黒豆屋ではなく、お米屋であった。
店内を見ると、見覚えのあるお米の袋が目に飛び込んできた。

 


「あれ、これは僕がふるさと納税で取り寄せているお米ですよ!」
後輩
「えー、そうなんですか!偶然ですね。」

店主の女性も会話に入る。

店主
「ふるさと納税ですか。有り難うございます。」

「こんにちは。頻繁にお米の配送をお願いしている神戸の東です。」

店主
「神戸の東さんですか。有り難うございます。よく発送させていただいています。以前にメールをいただいた方ですよね?」

「メール?・・・もしかして随分前のメールのことですか?」

店主
「はい、ふるさと納税で直接お客様からご連絡をいただくことなどなく、よく覚えています。」
後輩
「何か苦情でも書いたんですか?」
店主
「いえいえ、温かいメールです。」

記憶を呼びおこす・・・


「そういえば、もう5年ぐらい前ですかね・・・ネットでお願いしてから、2,3日で美味しいお米が届くので、とても感謝しました。ふるさと納税を申し込んでから、到着の時期が読めない生産者さんと違って、すぐにお米が到着することで、阪本屋さんはお客様の囲い込みができます、という内容を書いた記憶があります。」

店主
「そうです。とても励みになる言葉で、印象に残っています。」


「いや~、偶然ですね。驚きました・・・・」
後輩
「こんなこと、あり得ないですよ!!東さん、“もって”ますね。」

自宅に戻り、過去の自分のメールを紐解いてみる。
5年前であった。5年前からここのお米を取り寄せていることになる。

以下は原文のまま。

【送信日時:2017年7月5日 21時46分】

株式会社阪本屋 御中

いつもふるさと納税で美味しく頂いております。
沢山の地域でお米を食べましたが、阪本屋さんのお米は冷めても美味しく、家族でも好評です。しかも発送してくれるスピードが速いので、頼んでもいつ来るか分からない地域と異なり、お米の残量を計算してお願いしやすいです。
品質が良くて、スピードが速いというのは、他の地域に比べて競争優位性があります。
引き続き頑張ってください。応援しております。

東信吾

 

【返信日時:2017年7月6日 16時41分】

東 信吾 様

いつもお世話になっております。丹波篠山 阪本屋です。
お褒めのお言葉ありがとうございます。
冷めてからもおいしいというのは当店のお米の特徴の中の一つですので、その点を東様がおっしゃって下さったのでとても嬉しく思っています。
このようなお褒めの言葉をいただくと従業員一同の励みになります。
本当にありがとうございます。
今後とも従業員一同変わらず丹波篠山の味覚をお客様に届けてまいります。
これからも丹波篠山 阪本屋をどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社 阪本屋

 

なんとも不思議なことが連続で起こる日であった。
つくづく私の人生は、偶然の出会いが頻発する。そして良い方向に転がる。
まだ私は自分の人生の終着点を見つけていないが、きっと素晴らしい人との出会いの蓄積が、私の人生を思わぬ方向に導くのだろう。

いや、待てよ?

今回の出会いの立役者は何といっても後輩である。
唐突に私を誘い出し、この場所に連れてきた。
もとを辿ればすべての出会いが、彼によって演出されたのだ。

後輩の不思議なパワーに感謝した。

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ムハマド・ユヌス様

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東 信吾
Azuma Shingo

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事

 

【経歴】
1974年生まれ
大阪大学経済学部卒、大和銀行(現りそな銀行)、シティバンク、日本不動産研究所、UBS、クレディ・スイス(西日本地域の営業責任者)

社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

大学生の頃よりプライベートバンカーを志向する。
UBSアジアパシフィック地域において7年連続「ドラゴンクラブ」を受賞(日本人初)。
2015年、世界のトップバンカーの一人として「UBSサークルオブエクセレンス」を受賞
(唯一の日本人プライベートバンカー)。

2008年よりNPOのスタッフとして、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアにおける社会貢献活動に参画。

2012年よりバングラデシュにて、グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士と自動車整備士養成プロジェクトを運営。

日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門を創設(審査責任者)。
ソーシャルビジネスの普及活動に専念。


2022年より社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることを目的に、一般社団法人ソーシャルビジネスバンクをスタート。日本で初めて金融商品仲介業を株式会社でなく、一般社団法人にて運営(組織形態及び定款は非営利徹底型)。


この法人では、

  1. 富裕層や企業オーナーを社会貢献活動の世界に導く
  2. 富裕層や企業の社会貢献活動をお手伝いする
  3. 金融商品仲介業務で得た法人利益から法人税納税後の内部留保の半分以上を、顧客の希望に即した社会貢献活動に充当する
自身は上記3事業を無報酬(ボランティア)で行っている。


(公財)東京コミュニティー財団理事
(公財)千本財団理事
(一社)明日へのチカラ理事 ほか

世界4大会計事務所のひとつであるEYグループの日本法人(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)シニアフェロー

 

東信吾/azumashingo