気持ちよいバトンをつなぐ
2025年8月
私は長らく金融機関でプライベートバンカーを経験してきた。多くの富裕層の人との出会いがあった。
一般的に企業に勤める金融マンは、個人やチームのノルマ達成のために、たくさんの資産を預けてくれるお客様に対して、より丁寧な対応を行う。それは、そのお客様がたくさんの手数料を金融機関にもたらせてくれるからである。最近では、多くの金融機関が富裕層向け営業に力を入れている。
私は金融機関を引退し、この原理原則を手放した。とても楽になった。
今はボランティア活動の一環として資産運用のお手伝いをしている。お客様の基準として、預けてくれる金額の多寡よりも、社会をより良くしたい想いを持っていることが優先である。そうすることで、私はお客様と未来志向の心地よい時間を過ごすことができる。
今の私は金融業から給料をもらっていないため、お客様からいただく手数料が少なくても問題がない。何より社会を想う人と一緒にいると、その人から「気持ちよいオーラ」を受け取ることができる。私はそのオーラを次に繋げていく。
自分の利益や商売のことだけを話す人と一緒にいると、何となくマイナスのオーラを受けてしまう。プラスのオーラを次につなげることが出来ない。
そのため、私は富裕層の中でも社会を想う人との出会いを優先し、同時に社会を良くしたいと真摯に活動するNPOの人たちと一緒にいる時間を大切にしている。そうすることで、私自身の未熟な心が浄化されるだけでなく、次に私と出会う相手に「気持ちよいオーラ」がつながると思っている。