グロービス経営大学院でのワークショップ

 

グロービス経営大学院は、在校生、卒業生が10,000人を超える日本最大のビジネススクールである。

2月の日曜日にグロービス経営大学院にて、私が作る社会貢献活動の取り組みを5パターンほど紹介する予定である。前半は私の話が中心で、後半は参加者自身で社会貢献活動のアイデアを考える。ワークショップが終われば懇親会があり、丸1日のプログラムとなる。

一般社団法人ソーシャルビジネスバンクを3年前にスタートしてから、多くの企業経営者や富裕層を社会貢献活動に巻き込みながら新しいプロジェクトを作ってきた。ボランティア活動であるため、モチベーションの源泉は自分が楽しいかどうかである。

これまで大学で外部講師という形で講義したことはあるが、大学生に対しては「これから社会人になるにあたっての心構えは…」と、まとめることが多い。ただ、今回はビジネスの最前線で活躍している社会人が参加するため、話しの力点を変えなければならない。大学生と社会人では見るポイントが異なる。しかも経営を学んでいる社会人からすると、「社会貢献なんて、きっと生ぬるい話しに違いない」と思うこともあるだろう。

うーん、なんだか怖い。大丈夫だろうか。

 

 

ビジネス書を読んでいると、たまに出てくる言葉がある。ひとつは、『アイデアは既存の要素の組み合わせ』である。スマートフォンが、パソコン×携帯電話×カメラの組み合わせであるのは皆さんもよく知っている。新しい商品は、すでに存在する財やサービスの組み合わせで作られることが多い。

次に、経営の神様のピーター・ドラッカーがいう『顧客の創造』である。レッドオーシャンの中で、いま見えている顧客を奪い合うゼロサムゲームでは疲弊する。そのため企業は潜在的な顧客の創造に注力しなければならない。今までの財やサービスに新しい体験や価値、意味を加えることで差別化を図るのみならず、まったく別の角度から新しい価値観を導入する場合もあるだろう。

 

ここで、私が2役を演じてみたい。

1.アントレプレナー(起業家)
お客様の課題を解決するために、今までにないサービスを作ろう。そのためには、既存の〇〇と△△を組み合わせて、新しい価値観や体験を提供しよう。この分野はまだ誰も取り組んだことがないので、時間がかかるが潜在的な顧客を育てていける。このビジネスに関わる関係者全員にメリットがあれば、長期的に経営していけるはずだ。

2.社会活動家
行政が解決できない社会課題を解決するために、複数の関係者(企業、寄付者、NPO法人)を組み合わせて、新しい支援の形を提供しよう。この分野はだれも取り組んだことがないので、時間がかかるが応援してくれる人が少しずつ増えていくだろう。関係者全員がハッピーになれば、持続可能な支援活動が継続できるはずだ。

 

この2つのストーリーは、なんだかよく似ている。

モノがあふれた現代では、無味乾燥な財やサービスでは、お客様の心に響かない。安さを追求すれば、もっと安いものとの競合になる。こんな時に、財やサービスがお客様の感情に訴えかける“何か”を持っており、購入する意味を提供してくれるなら、お客様は喜んで選択してくれるだろう。

 

私は、財やサービスに“温かい想い”を加えることが、顧客の創造につながるひとつの方法であると考えている。同じ想いも持った人が、別のところからやってくる。

社会貢献活動を作るにあたり、寄付者・NPO法人・受益者のすべてを満足させることができれば、それは温かい視点の持ち主である。その視点は企業経営にも通じる。

私のワークショップが、自身の感性に刺激を与えながら、全体最適をとらえる練習場になれば嬉しい。参加者は私の話を聞きながら感じるだろう。「なんともラフな状態からプロジェクトをスタートしている。綿密な計画ではなく実際に実行に移しながら、軌道修正や思考を整理している」と。

実際に手を動かさないと問題点は見えない。企業経営において、時間という経営資源は大切である。休日にわざわざ時間を使って参加してくれる皆さんに、少しでも参考になれば幸いです。

 

だが、ここで大きな問題がある。

私は人前で話すことが大の苦手であり、未だに赤面症が治らない。昔から質問に即答できない。そのためファシリテーターの方には、私にコメントを振らないようにお願いしている。なんとも格好が悪い。

こんな私を起用するグロービスさんの勇気ある決断に対して、心から敬意を表している。

Trusted By

ムハマド・ユヌス様

グラミン銀行創設者
ノーベル平和賞受賞者

公益財団法人 千本財団

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般財団法人 
こどもたちと共に歩む会

第二電電(現KDDI)、イーモバイル(現ワイモバイル)創業者、レノバ名誉会長
千本倖生様

第二電電(現KDDI)
イーモバイル(現ワイモバイル)創業者 
レノバ名誉会長  千本倖生様

一般社団法人 
明日へのチカラ

ロート製薬創業家  
山田安廣様

一般財団法人
チャイルドライフサポートとくしま

大塚製薬創業家  
大塚芳紘様

公益財団法人 
木口福祉財団

ワールド創業家  
木口由美様

一般財団法人 
本願寺文化興隆財団

親鸞25代目、
平成上皇の従兄弟いとこ 
本願寺法主 大谷暢順様

NPO法人 
SK Dream Japan

オートバックス創業家  
住野和子様

公益財団法人 
東京コミュニティー財団

東 信吾
Azuma Shingo

一般社団法人ソーシャルビジネスバンク
代表理事

 

【経歴】
1974年生まれ
大阪大学経済学部卒、大和銀行(現りそな銀行)、シティバンク、日本不動産研究所、UBS、クレディ・スイス(西日本地域の営業責任者)

社会活動家/プライベートバンカー/不動産鑑定士

大学生の頃よりプライベートバンカーを志向する。
UBSアジアパシフィック地域において7年連続「ドラゴンクラブ」を受賞(日本人初)。
2015年、世界のトップバンカーの一人として「UBSサークルオブエクセレンス」を受賞
(唯一の日本人プライベートバンカー)。

2008年よりNPOのスタッフとして、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアにおける社会貢献活動に参画。

2012年よりバングラデシュにて、グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士と自動車整備士養成プロジェクトを運営。

日本アントレプレナー大賞ソーシャルビジネス部門を創設(審査責任者)。
ソーシャルビジネスの普及活動に専念。


2022年より社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることを目的に、一般社団法人ソーシャルビジネスバンクをスタート。日本で初めて金融商品仲介業を株式会社でなく、一般社団法人にて運営(組織形態及び定款は非営利徹底型)。


この法人では、

  1. 富裕層や企業オーナーを社会貢献活動の世界に導く
  2. 富裕層や企業の社会貢献活動をお手伝いする
  3. 金融商品仲介業務で得た法人利益から法人税納税後の内部留保の半分以上を、顧客の希望に即した社会貢献活動に充当する
自身は上記3事業を無報酬(ボランティア)で行っている。


(公財)東京コミュニティー財団理事
(公財)千本財団理事
(一社)明日へのチカラ理事 ほか

世界4大会計事務所のひとつであるEYグループの日本法人(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)シニアフェロー

 

東信吾/azumashingo