大人の贅沢な時間(京都 東山浄苑にて)
2024年11月
先日、京都の東山浄苑 東本願寺に14名の友人知人に集まってもらい、「大谷暢順法主を囲む会」を開催した。参加してもらったメンバーは、宗派の違いや信仰心の有無に関係なく、大谷暢順法主に会いたい人に来てもらった。
大谷暢順法主は、日本最大の宗派である浄土真宗の開祖(親鸞聖人)の25代目であり、平成上皇様の従兄(いとこ)にあたる。昭和4年生まれで現在95歳である。
私は大谷法主とプライベートで15年ほどお付き合いをさせてもらっている。とても光栄なことである。大谷法主は自分を大きく見せることはしない。博学でありながら、いつも謙虚でいらっしゃる。お酒もお食事も私と同じぐらいの量を召し上がる。不思議である。
今回参加した14名は日本最大の納骨堂である東山浄苑を参拝した。近年、お墓の管理を安心して任せることができる納骨堂のニーズが高まっている。特に東山浄苑は東本願寺というブランドが強い。
私たちは大谷法主のご自宅に入らせていただき、全員で心静かに写経を書いた。プロの筝曲家でもある奥様(祥子様)のお琴とお唄を聞いた後、大谷法主との懇親会が始まった。
私が司会進行を務めたが、もともと人前で話すのは得意ではなく、しどろもどろになっていた。有り難いことに、私の下手な司会を埋め合わせるかのように、参加者からの質問が場を盛り上げてくれた。大谷法主は、どんな俗っぽい質問にも丁寧にお答えされた。
こんな会話のやり取りがあった。
参加者「私は煩悩の塊ですが、お金儲けは良いことですか?卑しいことですか?」
大谷法主「私も煩悩はたくさんあります。煩悩がない人間などいません。お金がないと生きられないので、どんどん稼いでください。卑しい事ではございません。」
東「おー、皆さんが聞きたいことを、別所さんが代表して聞いてくださいました。有り難うございます!」
このような場を和ませてくれる質問はとても有り難い。
大谷法主から、日本独自に発展した神仏習合の精神性や世界から見た日本仏教の立場、人生で困難を乗り越えるときの心構えなど、普段の生活では聞けないお話を聞くことができた。大谷法主のメッセージには一貫して「自分を偽ることなく自分の信じるところを進んでください」という想いが込められている。人に対する深い愛情を感じる。
「大谷暢順法主を囲む会」が閉会してから、参加者から多くのコメントをいただいた。
「このような貴重な体験を有り難ございました。」「お琴を聞いて感動したのは初めてです。」「大谷法主のお言葉に自信をいただきました。」「大谷法主が気さくな人柄なので、ファンになりました。」などなど。
岐路の途中で、大谷法主からお電話が入った。
「今日は楽しかったです。また開催しましょう。」
とても光栄なお言葉であり、涙が出そうであった。
休日の午後に贅沢な時間を過ごした。皆さんに喜んでもらうことができて、一番充実感を味わったのは私である。ふと気づくと、合掌しながら「有り難うございました。」と呟いていた。
【過去の対談】