治らない苦手意識
2023年8月
私は好奇心が強く、人と話がするのが大好きである。
人見知りはしない性格である。
一方で、不特定多数の人の前では、急に思考回路が止まる。 そして動かなくなる。
幼少期から赤面症に悩み、人前で話をするのが大の苦手である。
知人から「そんなことないでしょ。講演会では上手に話せていましたよ。」と言われるが、
それは社交辞令であることを知っている。
上手に話している人を見ると、羨ましくなる。
たまにパネルディスカッションや起業家イベントの審査員として、不特定多数の人の前に出ることがあるが、不意に質問が飛んでくると、思考回路が止まり、適切な回答をすることが出来ない。
皆さんにご迷惑をかけるので、もうイベントには参加しないと誓った。
最近、楽天証券のマネージャーさんが、そんな私に対して、果敢にも動画撮影を試みた。
私は質問を受けて、それに答えるだけだが、カメラが回っていると考えるだけで、上手く話せない。
楽天証券のマネージャーさんは、動画の出来ばえに首をかしげ、最後には諦めてくれた。
私は内心ホッとした。「だから、ダメだと言ったでしょ。」
なぜ私がプライベートバンカーとして働けていたのだろうか。 不思議である。
私は話すのが苦手なので、1回、2回の面談で人間関係が作れるとは思っておらず、3年、5年の期間をかけて醸成していくことを心掛けている。
そのため、プライベートバンカーとしての営業活動で経営者を訪問したとき、仮に「話すのが下手だな」と思われても、3年、5年かけて挽回しようと考える。
時間の経過とともに「この人は信頼できるかもしれない。」と思ってもらえたら幸いである。
ここで問題なのは、1回目の面談で「東と話す価値がない」と思われるとアウトである。
この難問を乗り切るために「2回目の面談に繋がるように、話題の引き出しを作っておこう!」と思ったのが、当初の私の原動力である。
2008年から社会貢献活動に参加して、営業活動の一環として話題の引き出しを増やそうとした。
それが結果として、社会を良くする活動にのめり込んでしまった。
それから富裕層を巻き込んで一緒に社会貢献活動をする意義を見出した。最終的に、自分が活き活きできる役割とは、社会に「温かいお金」と「想い」を循環させることだと自覚した。
自分の行動と社会的使命感が一致したことで、迷うことが無くなった。
社会をより良くしたい人とのつながりが自然と広がっている。
人前で話すことが苦手という意識は解消できていないが、この苦手意識のおかげで、自分の想いや活動の土台を作り上げたことに、むしろ感謝している。